産廃営業マン、家を買う。(後編)

産廃営業

みなさん、今回は前編をもう読んでいただいておりますでしょうか?
もう前編を読んでいただいている前提で話を進めておりますので、まだ読んでおられない方は急いでご閲覧ください。
よろしいでしょうか?

さて、ハウスメーカー同士の足の引っ張り合いとは何なのか?
それは、国産木材を売りにしているC建設から始まりました。何と、Sハウジングの建設木材が海外産で、その木は屋外で風雨にさらされた場合、国産材よりも腐食が激しいという実験サンプル数たった1個のみ観察の学術的根拠、再現性の無いただの民間ホームページを印刷してドヤ顔で渡してくるではありませんか‼私は彼に言いました。「これを読んで、喜ぶと思います?正直、不快です‼あなたの会社の家がいかに他社より素晴らしいという説明ならぜひ聞きたいが、もしこの記事が本当だと私が信じても、C建設さん・Sハウジングさんの両方を選択肢から外すだけです。」
この時点でC建設との打合せは打切りました。

さて、次はSハウジングです。このC建設さんの話をした際に担当者(とある支店の営業成績No1だそうです。)は焦ったのか、「ご予算はおいくらでしたっけ?」と再度問われるので、当初通り「2,500万円です。」とお伝えすると、他の方の打合せ事例と勘違いされたのか、「変なケチり方をして欠陥住宅が建っても私は責任とれませんよ‼」とおっしゃいます。私、結婚前でしたが今の妻を打合せには同席させております。妻?に対するメンツもありますので、「分かりました。この金額では御社では欠陥住宅しか建たないという事ですね。」と打合せを打切りました。
その数日後、当社営業幹部と社長の間で、次期の売上予算について酒席で話し合う場が持たれました。酒席の雑談の中、そのSハウジングとのやり取りの話をすると、社長から、「分かった。向こうの担当変わってもいいか?」との事。返事も聞かずに社長はどこかへ電話をかけました。
当社、Sハウジングとは創業以来、縁が深く、会長と社長はSハウジングで億単位の豪邸をそれぞれ建てております。翌日、Sハウジングの課長様から「この度は大変申し訳ございませんでした。私に案件を引き継がせてください。」との事です。社長の顔を潰す訳にもいかず、打合せを継続しますが、お互いの提示価格は相変わらずの平行線です。タイムリミットは迫っています。
そんな中、Sハイムさんからはそれなりの値引きがあった物の「これが限界です。」との事。
非常にご丁寧な対応を頂きありがたかったのですが、予算合わずで残念ながら打合せ終了です。
もう、H建築しかないかと思い始めた時、突如救世主が現れました。
当時の当社の解体部のN部長はSハウジング直轄工務店から定年後に当社に入社されました。
そのNさんが「Sハウジング内でお前の家の話が大問題になっている。」との事。
大問題とは、そもそも私は出入り業者ですので「法人紹介枠」で商談をしています。
「一般枠」よりも条件は優遇されております。そんな中、その法人の代表者から酒席の事とは言え、直々にクレーム電話を入れられて、クレームを入れられたのが営業のエース、フォローに入ったのがその上司の役職者です。それでも話がまとまらない。なるほど、冷静に考えれば確かに大問題です。そして、Sハウジンググループ内で新たな選手交代が起きます。それは、Sハウジングの直轄施行部隊のS建設(Nさんの古巣)です。そこの所長様がわざわざ「御社に謝罪に伺いたい」と言い出したのです。一営業マンとして、大手顧客に会社に謝罪に来られては更に大問題化するので、Nさんに、「私の方から先方に訪問させてください」とお願いし、「分かった、俺も行く!」との事。お伺いしたところ、所長様より「今回のご無礼、重ね重ね申し訳ございませんでした。」との事。そして、一枚の見積を提示されました。それは、私の予算に近い内容の見積でした。
Nさんからも「これ、いい条件だぞ。決めろ!」との事です。今の携帯電話で言えば、docomoのサブブランドのahamoのような関係で、Sハウジング基準の家実働施行部隊のS建設が建ててくれるとの事です。断る理由はありません。その後は順調に打合せが進み、無事に消費増税期限前に契約に至りました。そして、家の引き渡しが無事に終わり、引っ越しが完了しました。
ところが・・・、さらなる展開が起こります。

では、次回エピローグでお会いしましょう‼

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