みなさん、恒例となりました産廃クイズ(シリーズ企画)の時間です!
今回のテーマは『有価物』です。
今までとはイレギュラーなテーマです。それは『有価物』=『買う価値がある物』は
廃棄物ではないからです。『廃棄物』=『処分するのにお金のかかる物』と定義されます。
数年前までは、廃棄物処理法の中で『有価物』は取締り対象ではありませんでした。
ところが、2018年4月の廃棄物処理法改正により、「有害使用済み機器」という物が定義がされ、業界に激震が走りました。何と、有価物にまで廃棄物処理法が適用される事になったのです‼
これは、日本国内の金属スクラップ業者が海外への輸出用に港に山積みにしているスクラップからの大規模火災が相次いだために、この管理を規制する法改正が行われました。火災の原因が、電装部品が付着した金属くず(電池等の腐食による発熱)がスクラップの油分に引火するために起きると考えられているためです。
火災発生時には消火活動により、電池・電子基盤に含まれる有害物質および油分の漏洩が懸念されるため、電装部品を含む金属くずは、雨ざらしにしてはならないなど、保管条件が厳格化されました。従来は電装部品を含む金属くずと、それを含まない金属くずは流通上、区別などされておらず、流通する全ての金属くずを雨の降りこまない屋内倉庫に保管したり、油分等が外部に流れ出さないような漏洩防止設備が整った場所に保管するなど不可能なため、これらの電装部品付き金属くず(有害使用済み機器)はスクラップ買取市場から厄介払いされ、処理費用のかかる産廃処理市場へ回って来ている状況が産まれました。
さて、ここで本題のクイズの時間です‼
次のうち、法律で取り締まられない有価物を全て選択してください。
① 金を含むパソコン基盤
② 銅を含む室外機
③ 銀を含むレントゲン写真
④ 鉄を含む照明の安定器
⑤ 未使用のアルミホイル
今回のテーマもマニアックですね‼
正解は‼
③ 銀を含むレントゲン写真
のみでした。
では解説して行きます。
① 金を含むパソコン基盤→基盤には必ずコイン型電池を含むため『有害使用済み機器』です。
② 銅を含む室外機→これはフロンを含むため『フロン排出抑制法』の対象です。
④ 鉄を含む安定器→これは製造年代によってはPCBを含むため『有害使用済み機器』です。
⑤ 未使用のアルミホイル→これは包装・芯が紙製のため、紙とアルミの混合廃棄物でスクラップ買い取り業界で売れるだけの価値がありません。ただし、メルカリで売れれば話は別ですが、産廃の転売は違法です。
不正解の方々、今回もペナルティは『1年以下の懲役または100万円以下の罰金』です。
みなさん、産廃のプロにまた一歩近づきましたね!
では次回を乞うご期待‼
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