産廃クイズ第26問『アンモニア発電とカーボンニュートラル』編

温暖化問題



みなさん、大好き、産廃クイズ(シリーズ企画)です。
第26問目の『アンモニア発電ととカーボンニュートラル』編です。

排出するCO2と吸収するCO2の量がバランスする状態≒カーボンニュートラルである事をこれまで過去記事で取り上げて来ましたが、では具体的な取組・既存技術とは何があるのでしょうか?
今回は、アンモニアを利用した発電についてご紹介いたします。

経済産業省:燃料アンモニアの背景・概要

アンモニアは既に工業的に合成技術が確立(高校化学の教科書にも載っているハーバーボッシュ法)されています。
現在ではその用途の8割が肥料、2割がメラミン樹脂、ナイロンなどの工業用用途です。
そのアンモニアですが、現在は燃料としての用途がカーボンニュートラルに有効な既存技術として注目されています。アンモニアの化学式はNH3です。


では、ここで早速基本的な化学のクイズです。なぜ、この物質を発電ではなく、燃焼反応させてもカーボンニュートラルにつながるのでしょうか?

① 炭素(C)を含まないから酸素(O2)と反応させても、窒素化合物(NOx)と水(H₂O)しか排出しないから
② 燃焼させることで肥料に変わるから
③ 熱を加える事でプラスチック製品が製造されるから

さあ、いかかでしょうか?元々が肥料、有機化合物が生産されていたのですから、きっとそういう物が出来るのが普通じゃないですか?

燃やすのにCO2を出さないなんて、都合良すぎますよね?

正解は・・・。
① 炭素(C)を含まないから酸素(O2)と反応させても、窒素化合物(NOx)と水(H2O)しか排出しないから

でした。まあ、基礎的な化学ですね。炭素を含まなければCO2は発生しようがありません。

そして、この燃料アンモニアの優れたところは、既存の石炭火力発電炉でも、熱量の20%を混ぜて燃焼させる事が可能で、その場合のCO2削減量が20%と理屈通りの結果が得られる点です。

この技術は、今後、アンモニア専焼発電、船舶用燃料、工業用ボイラー、燃料電池などへ応用される見込みです。

専焼発電というと、新エネルギーで水素も注目されていますが、現状の海外からの発電費用は、
アンモニア専焼:23.5円/kWh水素専焼:97.3円/kWh
20%アンモニア石炭火力混焼:12.9円/kWh水素10%ガス火力混焼:20.9円/kWh

という資産結果が出ていますので、導入のしやすさ、コストで言うと現状は水素よりアンモニア発電が優れると言えるのではないでしょうか?

それではみなさん、また一歩環境のプロに近付きましたね‼

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