温暖化効果ガスの影響を公開資料より読み解いたら・・・④中国編

温暖化効果ガスの影響を公開資料より読みたいら・・・
China map. China flag. Vector illustration.


みなさん、地球温暖化問題に興味ありますか?
本シリーズで『温暖化効果ガスの影響を公開資料より読みたいら・・・』で世界の中の日本の視点での脱温暖化対策の概況を解説させて頂きましたが、今回は中国における温暖化対策について取り上げさせて頂きます。

2020年9月、中国の習近平国家主席が国連総会ビデオ演説で、2030年にCO2排出のピークアウトを達しし、2060年にカーボンニュートラルと達成する旨を宣言(略称:3060目標)しました。この宣言を受け、2021年3月国営の二大送配電会社の国家電網「カーボンピークアウト、カーボンニュートラル行動計画」を発表します。本計画では、30年の営業域内の風力発電と太陽光発電の設備容量が10億kW以上、水力発電設備が2.8億kW、原子力発電設備容量が8千万kWとなることを明言しました。また、使用燃料についても、『炭素強度』という基準を設定し、エネルギー毎のCO2発生率の管理基準を定めました。

また、2021年10月に共産党中央委員会と国務院が『新発展理念を完全・正確かつ全面的に貫徹し、カーボンピークアウトとカーボンニュートラルの目標への実現を徹底する意見』(以下略:意見)で改めて中国内に脱炭素化の方針を発表し、経済社会のグリーン化推進を始めとする『十大目標』と実施要点計31項目を発表しました。

カーボンニュートラル目標の実現に向けた「1+N」政策体系の

最高位の「1」として『意見』が位置付けられ、
「N」(中央政府・地方政府)はこの方針に従う

というロードマップが策定されました。この『意見』の中の数値目標として、2030年に


非化石エネルギー消費率25%
風力・太陽光発電設備容量12億kW以上
森林カバー率25%前後

2060年に非化石エネルギー80%以上が掲げられました。

また、国務院からも2021年10月に「2030年までのカーボンピークアウト行動法案」(以下略:行動法案)の中で、

・再生可能エネルギーへの転換・省エネの促進、省資源化を鉄鋼・非鉄金属・建材・石油化学業界でのカーボンニューラルの率先
・省エネに対しての取組に対しての税制優遇
・建築物への太陽光発電搭載強化
・クリーン経済特区の制定
・各上場企業に対しての炭素排出量の情報開示

などが策定されました。

中国発の情報ですので、真に受ける事は出来ませんが、内容としては日本の政策よりも具体的です。あの環境後進国からは以外とまともな内容というか、読んでいて日本の計画よりも面白くてワクワクするというのが正直な感想です。

そもそもの中国の統計資料の杜撰さは有名ですので、適当な数字のでっち上げで実態と乖離した目標達成宣言が出る可能性も十分あり得ます。ただ、どの国も無しえなかった軍事増強を継続し、成しえた中国ですので、本気で行動するのであれば環境先進国となる可能性も十分に有りえます。

みなさん、今後の中国のカーボンニュートラル政策の進展に乞うご期待‼

幻冬舎:中国「経済統計」の信頼性を探る~統計水増し、矛盾の背景は何か?
https://gentosha-go.com/category/k0131_1

参考資料:日中経済協会:中国におけるカーボンニュートラル政策の進展

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