環境問題オススメ本⑩『数字でわかる!こどもSDGs』編

SDGs

みなさん、恒例となった『環境問題オススメ本』シリーズを発信します‼
本シリーズでは私が今まで影響を受けた環境問題を題材にした書籍を紹介して行きます。

第10回は『数字でわかる!こどもSDGs』著:バウンド(日本 2021年刊行)です。
こちらの本、コロナ禍で刊行されたため、コロナの影響を第1章で詳しく扱っています。

・コロナ禍による経済ダメージによる貧富の格差拡大
・貧困化による学習機会損失、児童婚の悪化
・社会的ストレス増加による人種差別・DVの助長
・インドの工業生産鈍化によるPM2.5の改善など悪影響と

SDGsというと、道徳問題という印象が強いですが、コロナ禍のSDGsへの影響という視点で見た時、これは明らかに経済不況による負の雰囲気に影響を受けた差別の助長(貧富・人種・ジェンダー)が本質ではないのか?と感じます。インドの環境面改善も、十分な環境保持資金を投入しない工場の生産が鈍った事が要因という、皮肉な好影響ですが、本質は普段は十分な環境保持資金を捻出できない事を良しとしている経済貧困マインドが根底にあります。

第2章~第4章はSDGsのメインテーマである貧困・差別・格差といった内容に関する数字を提示して行きます。

そして興味深いのは環境問題についても大きくページを割いている事です。

第5章:『環境』の現実を数字で見てみよう
① このままだと地球の気温は2100年までに最大3.2℃上昇する
② 2050年には海洋プラスチックの量が海にいる魚を上回る
③ 日本の再生可能エネルギー比率は21.7%で先進国最低水準
④ 世界で発生する電子廃棄物は1人あたり年間7.3Kg
⑤ 2016年だけで大気汚染が原因で420万人が早死にした
⑥ 食べものの13.8%は消費者に届く前にロスしてしまっている!
⑦ 2030年までに水不足で7億人が住む場所を追われる?
⑧ 日本の大人の環境意識はG7のなかでダントツに低い

数字の根拠については詳細は割愛されていますが、重要な数字の根拠についてはきちんと出典を示しています。なかなかショッキングな数字あげられていますよね。そんなみなさんに贈りたいのが次の格言です、『数字はウソをつかないが、ウソつきは数字を使う』。ショッキングな数字を突き付けられた時、単にその数字を妄信するのではなく、その数字の根拠とは?どの条件下で有効なのか?といった疑ってかかるリテラシーを自分の中に判断の軸として身に着けている事が重要です。この書籍はタイトルが『数字でわかる!こどもSDGs』と非常にキャッチ―ですよね。そしてその中身もタイトルからブレずにショッキングな数字をあげています。環境問題のプロの端くれの私もこの本を手にして自分で読み、紹介させていただきました。編集スタッフは非常に優秀だと思います。

そこまでを理解した上で、編集スタッフはどんなメッセージを送りたかったのか?ご自身で考える事に価値があると思います。

ぜひご一読ください。

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