みなさん、恒例となった『環境問題オススメ本』シリーズを発信します‼
本シリーズでは私が今まで影響を受けた環境問題を題材にした書籍を紹介して行きます。
第9回は『名探偵コナン 環境の謎』著:青山剛昌(日本 2006年刊行)です。
本作品、みんな大好き、コナン君が環境問題を教えてくれるマンガ7割、解説3割の内容です。しかも、通常この手の人気マンガの主人公が登場する学習シリーズは、解説のワンポイントでキャラクターが登場するくらいですが、この本、きちんとしたストーリーで構成されています。
ストーリーとしては、東京ドームの1.2倍のC(サイクル)ドームという、人口の森林・川・海・雨を再現した地球のミニチュアモデル内をコナン君たちが見学中に白骨死体を発見するところから事件に巻き込まれて行きます。実はこの白骨死体はマッドサイエンティストの細菌学者、羽々戸教授でした。彼は人類に環境破壊の反省を促すために、Cドーム内にCO₂濃度が0.1%を超えると活動し始める猛毒ウィルスをしかけたというダイイングメッセージを残していました。地球環境ではCO₂濃度0.036%ですが、羽々戸教授の仕掛けた罠により、急激なCO₂濃度の上昇が起きます。これを防ぐために、コナン君の推理が冴えます。
何と、川の魚が死んだ事から水質が酸性化した事を察し、酸性雨が降らされた事を突き止め、酸性雨がコンクリート製の建物の表面を溶かし、コンクリートが含有するCO₂が大気に放出された事実を突き止めます。急いで建物の表面を真水で洗浄し、事なきを得ますが、更なる罠により再度CO₂濃度の上昇が再開します。さあ、コナン君たちはいかにこのピンチから脱出するのか‼
本編のマンガの中に、意外としっかり環境問題のキーワードを盛り込んでくるあたり、さすが人気作家のストーリー構成力ですね。
過去記事、『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』では道徳的エコロジストについて批判的な内容でしたが、この『名探偵コナン 環境の謎』は読者層からして環境問題の解説部分はしっかりキーワードを押さえているものの、かなり道徳的です。発刊された時期も近く、対照的なアプローチです。小学生に環境問題を教える際の入門書としては十分なクオリティです。
ぜひご一読ください。
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