環境問題オススメ本⑧『環境問題のとらえ方と解決方法』編

環境問題オススメ本

みなさん、恒例となりました『環境問題オススメ本』を発信します‼
本シリーズでは私が今まで影響を受けた環境問題を題材にした書籍を紹介して行きます。

第8回は『環境問題のとらえ方と解決方法』著:岡田光正、藤江幸一(日本 2017年刊行)です。

こちらの書籍、非情に良書です。道徳的問題としてとらえられがちな環境問題を、科学的視点から論理的、現実的に選択すべき方法論と工学的解決技術を端的に展開されています。

・環境問題のとらえ方と解決方法のフレームワーク
・環境基本法における環境問題(人の健康、生活環境、自然環境)
・環境問題の発生原因とその解決法(原因に対しての緩和策と適応策)
・環境の望ましい状態(人間活動の影響→目指すべき社会像)
・廃棄物処理・資源保全技術(廃棄物の性状別の処理・リサイクルの現状→処理技術と環境対策)
・大気、水・地下水、土壌に関する環境保全対策
・地球環境問とその解決方法

問題の提示の仕方とその解決論までの理論展開が見事な一冊です。

本書籍で展開される”DPSIRフレームワーク”とは社会、経済、技術などの諸側面と環境問題との相互作用を表すために用いられる因果的枠組みの1つで”Driver(要因)”→”Pressure(負荷)”→”State(状態)”→”Impact(影響)”→”Response(対策)”→”再度Dの繰り返し”による問題解決手法です。

理論展開の他に、必読ポイントとしては、目新しい物ではなく、既存の実績のある環境保全技術の数々が紹介される、夢物語ではない地に足がついたリサイクル技術論の解説です。


本書籍のターゲット層は高校生~企業の環境対策部門担当者まで有用なプロ仕様の一冊です。過去記事、『沈黙の春』が提示した情緒的視点からの環境汚染問題に対し、その工学的解決論として現在の模範的回答と言える内容です。

これの1冊、内容が理解できれば環境問題のセミプロのレベルです。みなさん、ぜひご一読ください。

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