コロナ禍と産廃

産廃営業

3年前からのコロナ禍、今まではこんな事態、想像もつきませんでしたよね。

発生当初、アルコール消毒剤、マスクが店頭から消え、入手困難になりました。

私は勤務先では食品業界の担当営業だったので、たまたまアルコール消毒以外に、次亜塩素酸ナトリウムが食品業界の厨房でノロウィルス対策に使われているという知識があり、アルコール消毒剤が入手できない状況下でそちらの入手に動きました。幸い、値上がり前に入手出来たので、塩素濃度15%の物が20Lあたりで千円の定価で工業薬品卸問屋から購入しました。これを水で約100倍に薄めて使用するのですが、ドラッグストアで売られていた希釈後、同水準のものは、500mlあたり千円で売られていました。酷いボッタくりですよね。

これを社内各部署に配備し、とりあえずの手指消毒対策を取る事は出来ました。

対策後、テレビの情報番組で同じ内容の対策が紹介され、次亜塩素酸ナトリウムも品切れとなり、ギリギリセーフの状態で入手できた結果です。

それまでは、中国の廃プラ輸入禁止措置で、日本国内の産廃業界は、国内で処理可能な物量を上回る廃プラ発生量を背景に、いわゆるバブル状態でしたが、このコロナ禍で、全世界の経済活動の停滞を受け、一瞬で産廃の発生が無くなりました。

私は15年、この業界に従事していますが初めての状況です。

幸い、弊社は工業生産業以外に、医療業界とも付き合いがありますので、コロナ禍での損失はそちらで多少カバーする事が出来ました。しかし、医療廃棄物を普段扱っている社内でも、世間の風評被害の影響はありました。例えば、地域保健所ではエイズ検査もしますので、感染性対策用の専用密閉式容器で廃棄物を受け入れています。皆さん、エイズとコロナ、どちらのリスクが高いかは、現在はご理解いただけますよね

ところが、新型コロナ発生当初、エイズ検査で使用された医療廃棄物は普通に受け入れるのに、コロナ由来の医療廃棄物の受入れを従業員が納得しないんです。この社内の説得は大変でした。弊社だけではなく、同業他社でも状況は同じで、環境省から、「新型コロナ関連医療産廃でも、他と差別する事なく、通常通り受け入れなさい」というお達しが出るくらい、現場の拒否反応はすごかったんです。

それだけ、産廃業界は社会インフラを担っている部分があるという事ですが、産廃処理のプロの弊社でもそれだけの影響がありましたので、当時、世間で一部生徒に新型コロナが発生した教育大学の実習生を学校が受入れ拒否するなんて馬鹿げた事態も気持ちは分かります。

コロナ禍発生当時に比べて、現在は世間のリスク許容度も寛容になりましたね。

WITHコロナが現実的に浸透して来たんだなとつくづく実感します。

少しでも早く、コロナ禍前の日常に戻りますように。

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