結婚の動機について

産廃営業

この話は、エグいのでお食事中の方は一切読まないでください。

よろしいですか? 心の準備できましたか?

これは隣町の警察からの依頼案件です。

「今日中にとある廃棄物を引き取って欲しい」とのご依頼でした。

その廃棄物とは、『独居老人の方が孤独死した際に寝ていた布団』です。

人が亡くなると、事件性が疑われる場合、警察の遺体留置所で検死鑑定が行われます。

当初、電話で打合せしていたのですが、悪臭が強烈なので今日中に引き取って欲しいとの事でした。普段から警察関係の方とはやり取りがありますが、そんな急な依頼は滅多にありません。取り合えず、言い値で処理費は決まったので、若手の運転手を連れて緊急出動しました。経験上、途中の100円均一店で使い捨てカッパ、耐水軍手、ガムテープを購入し、現地入りしました。

回収する物はご遺体がくるまれていたであろう毛布一枚です。

強烈な悪臭を放っているのは予想通りで、完全防備の上、会社から持ってきた大きなビニールシートで包むため、まずは布団の上にシートをかけ、裏面を包むために毛布を持ち上げました・・・。その瞬間、毛布から何かの生物がボタボタボタっと下に落ち、ワーッと広がって逃げ出しました。そうです、その生物とは、ウジ虫です。

その布団を直接手で触らないように2重のフレコンバックに梱包し、厳重梱包の上、バイオハザードシールを貼って持ち帰り焼却処分しましたが、「こんな尊厳の無い人生の終わり方は絶対に嫌だ!」というのが、結婚も意識した事の無い、当時30代前半の私の感想でした。

私の死に際は、妻、子供に見守られたい。少なくとも、腐敗するまでには発見されたい。

それが私の願いです。

幸い、現在は既婚者。妻と小学1年生の娘と幸せにくらしています。

先日、軽い食あたりを起こして1人で寝ていたところ、娘が「お父さん大丈夫?1人で寂しくない?お人形貸してあげようか?」とか、看病のつもりなのか「お父さん、ノンタンの絵本読んであげる」と何かと世話?してくれます。『1人で寝てたいのになぁ』と思いつつ、家族が出来てよかったと感じた1日でした。

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