みなさん、久しぶりに産廃クイズ(シリーズ企画)が帰って来ました‼
産廃クイズ第14問は『電子基編』編です。
ではさっそくクイズです。
産廃リサイクル市場で価値が高いのは下記のどちらでしょうか?
① 最新式家庭用パソコンの電子基板
② 旧式の初期型家庭用パソコンの電子基板
さあ、どちらでしょうね?パソコンの性能で言えば絶対①ですよね・・・。
正解は‼
② 旧式の初期型家庭用パソコンの電子基板
です。それはなぜか?
現在の基盤はプリント基板という技術を用いて製造されますが、技術革新により、基板に搭載されるプリント配線板と、プリント回路板が年々厚さを薄く出来るようになったためです。電子基板には希少金属である、金、銀、パラジウム、銅、鉛が豊富に使われています。その厚さが昔の物をほど厚いので希少金属がたくさん回収できるためです。
鉱山を掘るよりも、都市の電子機器を集めた方が効率が良く、通称:『都市鉱山』なんて言われ方をします。
先日の東京オリンピックのメダルはまさに都市鉱山から回収された物が使用されたと大々的に宣伝させていたので、ご存じの方も多いかと思います。
私の勤務先でも電装機器を取り扱うので、基板類はたくさん集まってきますが、パソコンに使用されるようなグレードの高い基板であれば、基板1トンあたりから金が100g回収できます。直近の金、最高値は2022年6月に7,954円/gまで高騰しました。
ちなみにこの回収は精錬工場で基板をドロドロに溶かして、比重、溶ける温度、気体になる温度、固まる温度などを上手く組み合わせて回収されます。
さてここで次のクイズです。
有害重金属である鉛ハンダを含む電子基板は、リサイクルしない場合、産廃クイズ第13問『最終処分場編』で解説した遮断型処分場へ埋め立てる事で外界から遮断しなければならない。
① はい、遮断型最終処分場へ処分しなければならない。
② いいえ、管理型最終処分場で十分である。
③ いいえ、むしろ安定型処分場で十分である。
みなさん、いかがでしょうか?鉛と言えば、昭和45年5月、東京都新宿区牛込柳町において民間団体の実施した集団検診により、多人数が自動車の排ガスが原因と疑われる鉛中毒と診断され、大きな問題となった過去があります。そんな危険な物、外界から遮断しなければならないような気がしますよね?
正解は、
② いいえ、管理型最終処分場で十分である。
です。
それはなぜか?
廃棄物処理法の産廃の危険度の判断基準とは溶出基準(雨水に対してどれだけ成分が溶け込むのか?)のため、固形の鉛ハンダであれば雨水に溶け込む事はありません。
ただし、一応の基準として、電子基板は廃プラスチック類と金属の混合物で、両方とも安定型処分場に埋め立て処分可能な品目ですが、『電子基板については埋立処分するなら管理型処分場にしてね』という行政官様のお達しが出ております。
さあ、不正解のみなさん、お楽しみのペナルティの発表ですが、
第2問で③いいえ、むしろ安定型処分場で十分である。
と回答された方のみ、『1年以下の懲役または100万円以下の罰金』です。
① はい、遮断型最終処分場へ処分しなければならない。
と回答された方については、上乗せ基準として厳格に処分した事になるので、ペナルティなしです。
みなさん、産廃のプロにまた一歩近づきましたね!
それではまた次回をこうご期待‼
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